大谷石文化学の推進

 関東平野の周縁に位置する大谷地区は、平地から山地への移行帯に位置しているため、変化に富んだ地形が認められる。このことに加えて、大谷地区の地域特性を考慮するために不可欠な要素が、緑色凝灰岩(グリーンタフ:green...

 明治・大正期には、写真による撮影と印刷技術が広く普及するまで、風景を銅版画や石版画によって精緻に描写した鳥観図がさかんに製作されていた。明治39年の「宇都宮市真景図」もその一つで、当時の宇都宮市街地の様子を鳥観図の手法を用いて銅版画に克明に描き出している。

宇都宮市街地は関東平野に位置しているから、その周辺にあって、古賀志山地や日光連山に接続した大谷地区は、関東平野の縁辺部にあると言うことができるだろう。関東平野から古賀志山地への移行帯にあることで、大谷地区には地形的に変化に富んだ景観が形成されている。...