1989年、武内和彦先生が、宇都宮大学で「地域生態学」の講義を開講されました。当時の講義内容は、「地域の生態学」(朝倉書店 1991)に見ることができます。本講義は、宇都宮大学における地域生態学の伝統を受け継ぐことを念頭に、すぐれたフィールドを有する栃木で得られた地域生態学による知見を織り交ぜながら解説します。
○授業の到達目標
地域生態学の視点から地域の成り立ちを理解し、地域環境の形成に活用できる専門的な知識とスキルを育成するため、以下の点を到達目標とします。
1.ランドスケープ、生態系の概念を説明できること
2.生態学的地域区分の概念を用いて地域を説明できること
3.地域生態学的方法を理解し、基本的な事例を説明できること
○授業の構成
生態学的地域区分の理論と手法をもとに、都市や農村、河川、里山等のランドスケープを分析するとともに、地域生態学的手法によって地域の環境を保全・再生する方法について事例をあげながら解説していきます。
序論
1.地域生態学とは何か
2.生態学的地域区分と地域環境システム
3.世界と日本の地域環境システム
4.人間による地域環境の変化
各論 地域の生態学
5.都市の地域生態学
6.農村の地域生態学
7.里山の地域生態学
8.河川・水辺の地域生態学
9.山地の地域生態学
10.島嶼・海岸の地域生態学
地域生態学の応用
11.都市生態系の再生
12.農村生態系の再生
13.地域計画と地域生態学
14.生物多様性保全と地域生態学
15.総括
学生による宇都宮二荒山神社巡検の記録は以下の写真をクリック